畑田明子/nuu story(ヌーストーリー)

はただあきこ/nuu story代表。1974年生まれ。大学、専門学校で縫製を学び、縫製会社に就職。30歳で独立し、40歳でウェディングプランナーの女性と共同でnuu storyを立ち上げる。

「縫う」にまつわる私の物語。

初めて縫製したのは、叔母が人形の洋服の作り方を教えてくれた小学校低学年のとき。高学年になるとちゃんとしたミシンを買ってもらって、自分でスカートも縫っていました。縫製歴は何十年。だから就職する時も、服を縫うこと以外考えられませんでした。就職して、婦人服とデニムの縫製工場で働いて30歳で独立。2015年に自分でお店を始めるまで10年ぐらい空くんですけど、その間もずっと縫製の仕事をしていました。

体型に合わせてオーダーメイド
「nuu story(ヌーストーリー)」は、オーダーメイドの洋服やリメイク、お直しをするショップ。卒業制作でドレスを作っていたこともあって、ウェディングドレスのオーダーメイドをメインにと考えて始めましたが、思っていたより注文数が増えなくて。インポート生地を使って洋服を作ってもらいたいという相談や、普通に洋服を縫ってもらいたいという依頼の方が多かったんです。そこで、体型に合わせた洋服をオーダーメイドで作りますよと打ち出したら人気が出て、路線変更したというわけです。
オーダーメイドは高価なイメージがありますが、ヌーストーリーでは生地は高価なものからお手頃なものまでありますし、工賃を含めても百貨店で買うくらいの価格でオーダーメイドできるので、「思ったほど高くないんだ」と言ってもらえることが多いです。
洋服は丈ひとつとってみても、自分にぴったり合うものってなかなか買えないんですよね。以前、とても小柄な方からオーダーを受けたとき、こんな感じに着たいんですと写真を持って来られました。その写真を見ながら、その方のサイズ、体型に合わせて仮縫いをし、試着してもらうと「イメージ通り」と喜んでもらえました。
洋服の似合う似合わないは、要はバランスで、こういう服が着たいという相談があれば形にします。オーダーメイドはもちろん、市販品を直すこともできますし、サイズを合わせてバランスをしっかりとれば、より似合うように。私はずっと縫製の技術を追求してきたので、洋服のデザインは苦手ですし、コーディネートも得意ではありません。だから、私にとってはお客様がデザイナーでありスタイリストです。

縫製を学べる場を作りたい
最近は、縫製をできる日本の職人が少なくなりました。安価な労働力を得るのに海外から来た人たちに仕事を回すという流れもあったり、人を育てて技術を次につなげることをしてこなかったんですね。福山でも家政科がある高校も少なくなってしまって、そもそも縫製をやろうという人が減っています。縫製は、生地によってミシンの調節や糸の選び方、針の選び方も全部違うので、とにかく実践あるのみ。だからこそ将来は、そういう人材を育てられる学校をやりたいと思っています。
姪っ子や友達の子供が私の仕事を見て、「おもしろそう」と言ってくれたり、大人でも「やってみたい」と声をかけてくれる方もいます。趣味から仕事まで、いろんなレベルの縫製を楽しんでもらえるきっかけ作りができたらと思っています。(文=山﨑小由美)

nuu story
2015年6月開店。ウェディングドレスやカジュアルな洋服、小物のオーダーメイドやリメイクを手がける洋服制作&販売店。カラー診断や骨格診断なども行い、着る人のサイズや体型に合うよう仕上げてくれる。
住所:福山市新涯町2-3-16 クリエイトワン103
TEL:084-961-4757
営業時間:10:00〜19:00
定休日:不定休
https://nuu-story.com

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