倉田敏宏/tachimachi(タチマチ)

くらたとしひろ/tachimachi代表取締役。1994年生まれ。広島、東京、ときどき島根を行き来しながら、さまざまな人々との議論を楽しみ、共有できるコミュニティ形成に取り組む。

コミュニケーションのための居酒屋。

 福山市笠岡町にある城下横丁。この一角に、倉田敏宏さんが営む「暮らしの台所 あがりこぐち」はあります。イベントを企画することでさまざまな人々が訪れ、にぎわいを生むあがりこぐち。これからの福山を担う若者に、23歳で会社を立ち上げるまでの経緯や、これからやりたいことを聞いてみました。

転機は4年前。中学生の頃からラジオ好きで、学校から帰ると夜9時から夜中の12時までずっとラジオを聴いていました。中高とそんな生活で、ラジオのディレクターに憧れる学生だった僕が起業することになったきっかけが、大学2年の時に参加した「インフィニティベンチャーズサミット(IVS)」と「G1カレッジ」にありました。
IVSとG1カレッジは日本のトップ経営者や大学生世代のリーダーとなる人々が一堂に介して、議論をする場です。僕もそのイベントに参加したのですが、参加した同世代の人々は、自分で会社を起こしていたり、地域開発などまちづくりをしていたり、同世代の子たちが先を行っていて「こんな中でやっていけるのか」と焦ったのを覚えています。

福山に戻り、2017年、23歳で起業
IVSで「Ridilover(リディラバ)」の安部敏樹さんという方と出会い、インターンとして受け入れてもらうことができました。リディラバは、社会の課題を見つけて、その課題を分かりやすく伝えるベンチャー企業で、旅を通して学ぶを目的とした「スタディツアー」を企画しています。僕も企画を出したり、営業したり、でも全然上手くいかず失敗ばかり。それでも、いろんな場所を訪ねて、いろんな人と知り合って、いろんな事例を目で見て、貴重な経験ができました。
リディラバで1年ほどお世話になって福山へ。2017年、23歳で「tachimachi(タチマチ)」という会社を立ち上げて、2018年3月に「暮らしの台所 あがりこぐち」をオープンしました。開店当初は「なんで飲食店を始めたの?」と聞かれることが多かったんですが、あがりこぐちは居酒屋というより、飲食機能を備えたコミュニティスペース。大学生の頃はゲストハウスをやりたくて、もともとはゲストハウスの事業プランを考えていました。しかし時間が経つにつれて、いろんな人々が集まって語り合えるコミュニケーションの場を設計したいと思うようになりました。

自分と違う意見も積極的に受け入れる
今、自分のコミュニティの中だけで「あれは正しい」「これはだめだ」と議論している人が多い気がします。しかし、別のコミュニティに行けば、これまで自分が当たり前と感じていた正しいも間違っているも、当たり前ではなくなるんですよね。自分のコミュニティに留まらず、違う意見を積極的に受け入れていくことが大切だと感じています。
あがりこぐちは、誰もが主役になれるような場所にしたいですね。昼間など、場所が空いている時間があるので、そういう時間にヨガをやるとか、新しい接点を生む催しをできたら。もっともっとコミュニケーションが生まれる場にしていきたいと思っています。(文=山﨑小由美)

tachimachi
2017年設立。「暮らしの台所 あがりこぐち」を運営。あがりこぐちでは、さまざまな場所からゲストを呼び、さまざまなテーマで議論をするイベントも開催している。

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