大人も絵本を読む

「いる」じゃん 作=くどうなおこ 絵=松本大洋 スイッチ・パブリッシング 1600円(税別)

「発見の木」

 詩人はそこに「いる」もの、感じられたものを言葉という網を使って、すくい上げるのが仕事かもしれない。そして並べて整えて、「さあ、飛んでいきな」とタンポポの綿毛のように飛ばすのだろう。あなたのところに運ばれた種は、時期が来たら芽を出し、根をはり、伸びて花を咲かせ、実をつけたら次の心に飛ぶのだろう。
 雑誌「MONKEY」11号の「ともだちがいない」というテーマを受けて、「いるじゃん!」と答えた詩人くどうなおこは、幼い頃からテントウ虫やカタツムリが友達だった。詩人の書いた「のはらうた」シリーズは、小さな生き物達の声でいっぱいだ。詩人の息子である漫画家・松本大洋は母の言葉のエネルギーを受けとめて、立ち止まって考えた。母の言葉を生かすため、どんな絵を描いたらいいだろう。そして二人で一冊の本を作った。
 この本を届けたいと願った人々がいて、ここに本が「いる」。そして今、この地上で生きて「いる」あなたのところへ届く。どう感じるかはあなた次第。その時々で本から受ける印象は変わるだろう。何度でも扉を開いて会いに行こう。いつか、あなたの口から「いる」じゃんと、言葉が溢れてくるかもしれない。(文=大塚惠理佳)

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